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シリア





首都ダマスカスを経て、私たちはハマという小さな町へやってきました。
ここは水車で有名な町。
「水車を見に行こう!」
さっそく私たちは朝、水車を目指してオロンテス川沿いを歩いはじめました。
すると途中でおじさんが、こっちおいでおいでと手でサインを送っています。
何だろうとじっと見ると、店でシャーイを飲んで行かないかと
ジェスチャーでお茶を飲むマネをしています。
喉も渇いていたこともあって、飲んでいこうか....とお店に入り、
甘いシャーイを頂き、英語が喋れないおじさんと
私たちが知っているいくつかのアラビア語とジェスチャーでの会話を楽しみました。
そしてありがとうを言い、バイバイして再び水車を目指して歩き始めました。
おじさんはシャーイ屋でも何でもなく、ただ私たちにお茶をくれたようです。

しばらく歩くと、レストランに入ってでないと見れない場所に、
ついに3台の水車を発見しました。
親切にもレストランの人が入って見ていいよというので、
近くまで行って、水しぶきいっぱいの大きな水車を楽しみました。

ここハマにはオロンテス川沿いにたくさんの水車があります。
巨大なものだと直径20m。
はじめ水車なんてきっとどれも同じだろうから、
どれでもいいから見れればいいなと思っていたのに、
この3つの水車を見て、その迫力に圧倒され、直径20mの水車も見たいし、
他の水車も全部見たい!と思ってしまったのです。

そこで、今度は他の水車を目指して川沿いを歩いていると....突然の雨!
雨では仕方ないので宿に戻り、私はインターネットをやったり、
リョウスケは、宿で出会った日本人のタカさんと
バックギャモンをしたりと宿で時間を過ごしました。
すると夕方頃、どうも雨があがったというので、再度水車探しに出発!

先ほど降った雨のおかげで、私たちは「水車 with 虹」という
ステキな風景を目にすることができました!
そして直径20mの水車。
「ギィー」と木と木がこすれ合う音も大きいし、水しぶきも霧のシャワーのよう。
この町は水車の町として有名なのですが、
水車がゆっくりと回るように時間もゆっくり流れているような穏やかな町で
私は水車はもちろんのことその雰囲気も好きになっちゃいました。
小さな路地に入ると家から子供たちが出てきて、
カメラを向けると笑ってポーズしてくれたり....
道に迷っていると言葉が通じないからこっちだよとその場所まで案内してくれたり....

シリアなんていうと、危ないんじゃないかと日本では思われていそうな国だと思うけど、
こんなにゆったりしていて、やさしい人々が住んでいる国なんです。

(リエ)



   
   
 


「バックギャモン」というゲームがある。
日本では全く聞いたことがなかったが、
オセロやチェスのような二人用のシンプルなボードゲームで、
サイコロを振って、出た目の数だけオセロの駒のような黒白の駒を進め、
進める中、相手の駒を食ったり食われたり...
スゴロクと将棋が合体したようなゲームなのだ。
どうもスゴロクの原点になったゲームでもあるらしい。
中東発祥のゲームなのか、エジプト以来、どこのシャーイ(お茶)屋さんでも
オッサンたちが昼間からシーシャ(水タバコ)吸いながら
パチパチ打っているのを見てきた。
初めて見た時は全く何をやっているのかさっぱり意味不明だったが、
ルールが分かり、やってみるとこれがかなりオモシロく、
僕はカイロである人に教えてもらって以来、ダハブでそのルールを確実に覚えて再燃し、
あのヒマすぎたヌエバアでは、一緒に来たカジさんとシャーイを飲みながら
ずっとやっていたものだった。
それまであまり興味を示さなかったリエも、あのヒマすぎたヌエバアでルールを覚え、
覚えたとたんにハマり、アンマンではクリフホテルで
サメールと一緒にみんなでパチパチやっていた。
僕らは中東を進むにつれて、どんどんこのゲームにハマっていったのだ。
このゲームは、オセロや将棋やチェスのように頭を使うだけでなく、
半分はサイコロ運によって左右されるため、
それだけどうしても勝ちたい、という欲求にかられる。
エジプトの土産物街にもきれいに装飾されたボードが結構売っていて、
ヨルダンではあまり見なかったが、ダマスカスはバックギャモンの宝庫で
イスラミックアートに装飾された美しいボードが、星の数ほど売られていた。

スペイン人のサンティとアルベルトには、アレッポのあるレストランで偶然再会した。
彼らにはヨルダンのアンマンからシリアのダマスカスへ向かう時、
国境で少し話したのが最初だったが、偶然ここで再会したので、
この後シーシャでも吸いながらシャーイでも飲みに行こうという話になった。

地元のシリア人で賑わうシャーイ屋では、当然のようにみんなパチパチと
バックギャモンの駒を打っている音が聞こえる。
そしてみんなモクモクとシーシャを回して吸っている。
なんとも朗らかな光景なのだ。
ほとんど酒を飲まないイスラム教の彼らにとって、
ここは居酒屋のようなところなのかもしれない。
僕らもシーシャとシャーイ、そしてバックギャモンと中東スタイルでキメることにした。
サンティとアルベルトはルールを知らなかったので、
教えつつ、みんなで楽しんだ。
バックギャモンは良いコミュニケーションのツールになって、
僕らはサイコロの目の1〜6までだけ、スペイン語を覚えることができたのだった。
スペイン人の二人はバックギャモンを教えてくれたからと言って
その場をおごってくれ、明日も一緒に夕食を食べに行く約束をした。
明日もまたこの店にも来るだろう。そしてバックギャモンをしようぜ。
シーシャを吸いながら。シャーイでも飲んで。

こんなゆったりした生活が、中東スタイルなのだ。

(リョウスケ)

 




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