ミャンマーとの国境の町メーサイで、僕らはタイのビザ最終日を迎えた。
今日他の国に入らなければ、タイに一日ごとに500バーツ払わなければならない事になる。
僕らの予定では、ここからミャンマーに入り、
ミャンマーの国境の町タチレイから、飛行機でマンダレに飛ぶつもりだ。
しかし、旅というものは人生と同じく、予定通りにはいかないものである。
なんと、タイの国境ゲートに入れてもくれないのだ!
どうして?どうしよう?
何度もトライするが、いっこうにラチがあかない。
どうも理由を聞くと、僕らがミャンマーのビザを持っているのが、なぜかいけないらしい。
ちなみにこのビザを取るのに、1000バーツと2日間かかった。苦労して取ったのに!
せめてタイのビザ延長だけでもしたい。一日二人で1000バーツはヤバい。
ここはゴールデントライアングル。ラオスに逃げ込むか。
ふと見ると、さっきミャンマーへのゲートを入っていったインド人らしき男が
もう戻ってくるところが見えた。
話しかけてみると、やはりタイのビザ延長ためだけにミャンマーに入ってきたらしい。
彼の助言を聞き、もう一度トライすることにした。
拳に20米ドル札を握りしめて。
まず、もう一度強気に、ミャンマービザを使わないから入れてくれと再度頼んでみる。
さっきから何度も頼んでいるが......タイのビザを延長したいだけなのだ、と。
するとクドかったのが効いたのか、なにやら係員どうしで少しモメた後、
なんとハンコを押してくれた! どういうことか全く分からん...。
まぁ20ドルも使わずにすんだし、次はミャンマー側だ。
ミャンマー側は、どこへ行くのかと優しく聞いてきた。
タチレイからマンダレに行きたいとつげると
「残念ながらそれはできない」と言われた。 なにー!
このルートはネットでも調べて、行けることは確かなはずだった。
「この10月から変わった。何も公表していないから外国人、けっこう怒っちゃったね」
なんと。もし本当なら、これは最新情報だ。
ヤンゴンやマンダレなど主要都市は、チェンマイから飛行機で行ってくれという。
せめて、ここから行けるところは?と聞くと、チャイントンとモンラーという二都市だけ。
しかもパスポートを預けさせられ、新しくミャンマー専用のパスポートをつくらされた。
ここのイミグレに必ず戻って来ないといけないということだ。 こうして不思議の国、ミャンマーに何とか入国することはできた。
僕らは、紙切れのようなミャンマー専用パスポートを持って、
とりあえずチャイントンという町にバスで行ってみることにしたのだった。
(リョウスケ) |