ゲストBOOK

 

中国 PART 1




 
 


出発1日前までドタバタで、超睡眠不足のまま迎えた出発日。天気は快晴!
パスポートも持ったし、予防注射もOK、トラベラーズチェック、USドルも10万円分、
中国元も二人で20万円分持ったし、ケータイは解約したし、住民票は抜いた...
忘れ物はないはず...たぶん。
背中には大きなバックパック、前にはデイパック。
そんな荷物に挟まれた状態で新幹線に乗り、私たちは神戸の港へ向かいました。
神戸の港から「燕京号」という船に乗って、中国の天津まで向かうのです。
船のチケットは、3ヶ月間の中国VISAと一緒に名古屋の旅行会社でとりました。
はじめ一番安いみんなで雑魚寝タイプの部屋のチケットにしようかと思っていたのですが、
一応新婚旅行なんだから!ってことで2人部屋に。

どんな船かなぁとワクワクしながら、港行きの電車に乗り安心してたら...
どうも間違って港に停まらない快速電車に乗ってしまい、
かなり焦って逆戻り!なんとか無事港へ到着。危なかった...!

乗船手続きをするカウンターでは、中国人たちが揉めていたので、
時間までに手続きが終わるのかとドキドキしていましたが、手続きは無事終了。
でも私たちの重い荷物は手荷物として全部船の中に持ち込めるのかなぁ...
中にカミソリとかハサミとか入ってるけど、大丈夫かなぁ...
いくつか不安を抱えながら、そのまま荷物預かり所のカウンターへ。

「全部船の中に持って行ってもいい?」
「いいよ。」
全部持ち込みOKなの?でもカミソリとかハサミはX線でひっかかっちゃうんじゃ...
あれ?荷物検査しないの?X線とか通さないの?
荷物を背負ったまますんなりと出国手続きが終わり、そのまま船へ!

まさか船での出国がこんなに簡単だとは思いませんでした。
飛行機なんてベルト一つでピって音が鳴って調べられるのに、中国の船だけかなぁ?
万博でも持ち込み検査があったのに...これでは密輸とか、かなり簡単です。
船に対していろんな疑問に駆られながら、私たちの船旅は始まりました。

ところで、期待していた船はというと...
リョウスケは「これが俺らにとっての宇宙戦艦だて〜」と乗る前にかなり盛り上がっていましたが、
一歩足を踏み入れるなり、そこはもう中国ワールドが広がっていたのでした。
ご、ごはんが.........早くも日本食が恋しいかも.........

(リエ)




中国北京の最も有名な観光名所、世界遺産にも登録されている万里の長城。
私が結婚前まで働いていた会社の先輩たちとおちあって、5人で行きました。
5人でワイワイと一台のバンに乗って、ついに到着。
果てしなく長く空へと続きそうな階段、照りつける太陽、
その日は気温も最高に高く、汗が止まりません。

記念写真を撮りながら初めは楽しく上っていた私たちも、
途中からハァハァと息の吐く音だけに...。
しんどい...ギブアップ......何度そう思ったか。
でもその度に自分との葛藤。
一人が前に行くと、それに励まされて前に進む。その繰り返し。
絶対に2人だけだったら途中で降りてるねと話しながら、なんとか一番高いところに登頂!
そこからの眺めは最高でした!
一番上まで来ると、すごく上りきった感が出てきて、
こんなにすごいのを上ったんだから、これから先の旅も大丈夫だね!
と変な自信が湧いてきたり........

万里の長城を見ていると、当時の中国の王朝のビックさが伝わってきます。
こんなすごいものをいくつもの山を越えて作ってしまう中国人。
今、北京オリンピック前に焦ってしている工事も、きっとやってのけてしまうのでしょう。
中国人のパワーは本当にすごいです。
そのすごさは昔からだったんだなと思いました。

(リエ)




小さい頃、ブルートレインってのがあった。
電車の中で食事をして、寝るという行為が子供ながらにすごく憧れたものだ。

今回、北京から内モンゴルの呼和浩特(フフホト)という都市に向かうまで、
憧れの寝台特急に乗ることになった。予定12時間。楽しみだ。
しかし、予想に反して僕らの初ブルートレイン、ベッドは3段ベッド 。
しかもスゴい人!人、人、ひとひとひと!
最上部の自分のベッドまで猿のようにはしごを使って上る。重い荷物も上げなきゃ。
リエよ、これが新婚旅行だ。荷物の重みは結婚の重みだ。
泣いてるか笑ってるかわからない顔で2人顔を見合わせる。
とんでもないブルーとレインだ...。
だけどこのベッド、落ち着いてみると意外と心地よい?
荷物を上げるのも、隣のおっちゃんが手伝ってくれた。謝謝、おっちゃん。
中国の人って、今のところだけど意外と優しい。
反日デモとかでけっこう嫌な思いするかと思ってたけど、そんなん全然ない。

そんなこんなで眠りにつき、ついに着いた内モンゴル・フフホトは予想に反して大都会だった!
ガイドブックにはモンゴル表記されたケンチキが載っていたので、僕がある人に
「なんだ、内モンゴルっていっても、ケンチキあるんじゃん」って 言った時、
「ケンチキ一軒しかないかもよ」って言われ、覚悟はしていた。
それがケンチキどころか、街行く人々はおしゃれな服装に身を包み、
こぎれいなデパートや、おしゃれなショップ、小物屋さんに入っていく。
そして、そのどれもにモンゴル文字が併記されているのがおもしろい。
しかし少し道を外れると、先ほどの大都会が嘘のような世界が広がっている。
まさに表と裏なのだ。

そして期待していた大草原は何を期待していたのか、行ったらただの大草原だった!
それ以外には全く何もない。
僕らは草原に着いたとたん、モンゴル式の白酒(50%)のウェルカムを受け、
その後大草原の中を馬に乗ったり、何もないことを楽しんだ。
夜は韓国の学生たちと酒を酌み交わしつつ日韓緩和につとめた。
やはり韓国ドラマは男子の若者にも圧倒的な人気なのだ。
ドラマをほめると、韓国海苔をくれた。

そして草原での星空は、想像を遥かに超え、今まで見たどの星空よりもスゴかった!!
見たこともないくらいデカい流れ星もいくつも見た。
一生忘れられないと思い出となったぜ。

(リョウスケ)



 
 
 


西安のユースホステルで仲良くなった中国人はチベットで何年か先生をしていて、
つい最近その任期を終えて、帰ってきている最中だった。
彼は黒澤明ほか、日本映画のの大ファンで、
特に日本人が負けを認めた時の「切腹」という発想に心動かされていたようだ。
切腹について「自分のプライドを守っている」と彼は言っていた。
そして、彼は今でも日本人は全員このプライドを持っていると思っていた。
日本のことを良く言われると、正直悪い気はしないが、
今現在、ホントの日本はどうだろうか?

僕はある事件を思い出していた。
僕らが日本を出る少し前だったと思う。
中学生か高校生か忘れたが、テストの点が悪かったことを親に知られたくなくて
家を全焼させ、母親と兄弟を殺してしまった事件があった。
彼の夢をくずすようだったが、事件の内容は詳しく述べず、
「日本では子が親を殺す事件が起こる」と言ってみた。
中国では、見てる限り、家族の仲はすごく良い。
一人っ子政策の影響で親は子をものすごく大切にし、子供も親を敬っている。
彼はこの事件にどう反応するだろう??

すると意外なことに、中国でも同じことがあるという。
エッと思い、よく聞いてみると、
山岳地帯の奥地のある村では食料がなくなると、仕方なく子が老いた親を捨てるという。
いわゆる「乳母捨て山」だ。彼は非常に残念そうな表情で語った。

日本の事件と比べてどうだろうか?
その後、日本の事件の内容を説明したが、彼は最後まで納得できずにいた。

欧米人からも日本についてはよく聞かれる。
「日本ではなぜ自殺率が世界一なんだ?」「そんなにストレスが溜まるのか?」
わからん。自殺は「切腹」と同じ発想なんだろうか?
ただ、日本という国が世界でもそんな風に受け取られているのかと思うと、
非常に残念だし、間違いなく悪い方向に向かっていると感じる。
みんな気づいているのだ。子供も大人も、息が詰まりそうなのかもしれない。

そう考えると、ゴミはポイポイ捨てるし、暑けりゃ街なかでもTシャツまくり上げて、
みんなで腹出して笑って歩いているこの中国人たちが、非常にPeacefulに見えてくる。
このユルさを体験すれば、自殺する気なんて失せてしまうに違いない。
どんな境遇でも 、みな一生懸命生きているのだから...。

(リョウスケ)



 
   
 


西安から成都までの列車にやっとのことで乗り込んだが、
しばらくの間、僕ら二人はかなりイライラしていた。
「あーーームカつく!私もう寝る!」
ついにリエの堪忍袋が切れてしまったようだ。
つい数時間前まで、ユースホステルで仲良くなったアメリカ人と
卓球なんぞ楽しんでいた僕らは、もちろんケンカなどしていない。
イライラの原因は、この列車に乗っている人々にあった。

中国では、僕ら日本人が持っているような、いわゆる「常識」は通用しない。
列での順番抜かしは「抜かされる方が悪い」という考え方がここでは常識なのだ。
「郷に入れば...」にならい、僕らも負けずと人々をかき分けて、
自分たちの乗る列車のホームまでやっとこさたどり着き、列車に乗った。
二人ともそんなことでイライラしていたのではない。

やっと乗ったこの列車、一つの車両につき3段ベッドの向かい合わせが10組ずつ、
つまり60名が乗っているので結構な人口密度の寝台列車。
おっと、隣のおっちゃん集団、白酒大宴会始まっちゃったね。
いいじゃん、楽しそうじゃん。スゲー白酒臭いけど、まぁいいや。
僕らの合わせベッドは高校生くらいの若者軍団。
僕らのベッドから、キミらのの荷物をどかしてさえくれれば全然OK。
二人とも、そんなことでイライラしていたのではない。

西安から成都までの12時間の寝台列車移動、当然腹も減る。
だからみんなスゴい量の食料を持ち込んでいる。こんなに食いきれるのか?
そしてびっくりしたのは、この人たち、自分たちの食べた食いカスを
窓からポンポン捨てるのだ!ほんとにポンポン捨てる。
しかも食いカスといっても、ペットボトルやカップラーメンを汁ごと、とかである。
お父さんもお母さんもおじいもこどもも全員で次々に捨てる。行儀もなにもない。
蒸し暑い電車の中、窓を開けて座っていると捨てたラーメンの汁が軽く顔に飛んできた。
これには地球に優しい僕ら、我慢できなかった!
あげくの果ては、ビールの瓶まで投げ捨てている。いいのか?!
両サイドからガシャンガシャンバリンバリン聞こえてくる。
子供もおもしろがって、大はしゃぎで無駄にバシバシ捨てている。
電車は時速100km近くで走行中。
もはや地球に優しくとか、そういう問題じゃない。フツーにあぶねー。

そうこうしているうちにふと見ると、イチャついていた若者カップルの男が脱ぎだした。
タオルケットの隙間から何も着ていない女の子の背中が見える。
周りは人だらけの大宴会場。まったく、欧米人もびっくりの大胆さだ。
もう、何でもアリだぜこの列車。
ねぇあれ見てよと、3段ベッド最上部にいるリエに知らせようとしたが
そういえばリエは怒って先に寝てしまっていた。

しかしこの列車、消灯したというのに笑い声が絶えない。なんか修学旅行みたいだな。
そう考えると、ハッピーな列車だ。
乗っている中国人同士、きっと知り合いではないだろう。
本当のことを言うと、僕はこれまでの旅で、中国人は実はいい人が多いと感じている。
運がいいだけなのかもしれないが、これまで何度もかなり親切にしてもらっている。
いやしかし!
世界でも人口の最多な中国の人たち!
もっとマジに地球のことを考えてほしい。
これは実は、地球レベルでかなり緊迫した問題なのではないだろうか...。

(リョウスケ)

 



四川省の成都から北へ約400kmのところにあるという伝説の桃源郷、九寨溝。
自力で行くか、ツアーに参加するかで悩んだ末、
私たちは三泊四日で一人850元(約13,000円)のツアーに参加することにしました。
(私たちにはちょっと高かったけど...)

ツアー客は私たち以外は全て中国人。
みんな私たちに興味はあるものの、中国語のわからない日本人ね、という感じです。
でもジェスチャーと筆記でコミュニケーションをとって仲良くなると、
果物をくれたり、中国語のレッスンをしてくれたり、
いつの間にか私たちの席の周りが一番盛り上がっていました。
突然ポンポンと肩を叩かれ、何?と耳を傾けると...
「ハーハーヲアイスルイートーハ、コーコロケヨケイト〜♪」
日本の歌じゃん!なんで知ってるの!

そんな中、バスは暴走族のように走る、走る!
私もリョウスケも隣りの中国人のおじいちゃんもポンポン跳ねる。
どこかにしっかり掴まって座っていないと、飛ばされてしまいそう。
さっきまでキャッキャと騒いでいたのに、そのうちだんだんと無言になっていきました。
「気持ち悪い...」と私。するとリョウスケも「頭痛い...」
グルグル山道暴走&高山でお腹も頭ももう限界〜!そんなこんなで九寨溝に到着。
あまりの体調の悪さに、バスから降りた私たちはふらふらでモウロウ状態でした。
ふと気がつくと、周りに同じツアーの人がいない!しまった!はぐれた!
キョロキョロしてみても、ものすごい数の同じような中国人のツアー客だらけで
人が多すぎて分からない!どうしよう、入場券も持っていないし!
これは、結構まずいんじゃないの!?

すると、こっちよ!と手を振る人発見!
それは、バスで私の隣に座っていっしょに話した中国人のおじいちゃんの家族でした。
いなくなった私たちを、わざわざ探しに来てくれたのです。
私は、うれしくて泣いてしまいました。この家族の優しさを私は一生忘れないと思います。
変えられない歴史があるから、中国人は日本人のことなんて嫌いだと思っていました。
でも、人間対人間だと違う、この日私たちはそう確信しました。

そして九寨溝は...
信じられないくらい水が澄んでいて、遠くから見るとブルー色で...!!
見たこともない景色が続いて、本当に感動でした!
でもリョウスケは、あまりの人の多さに怒り気味...
この桃源郷は、中国人のツアー客だらけで、観光地化がかなり進んでいました。
でも世の中には、フツ〜の観光バスで4000m以上の高山をバスで走り抜け、
高山病者続出のハードな行程を行くツアーがあるんだなぁ...

(リエ)


 



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