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ネパール





街を歩いていると時々、ドレッドヘアの仙人みたいな人たちをよく見かけます。
写真を撮りたいけど、なんかカメラを向けるのに勇気がいる.....
そのくらい迫力のある人たち、その人たちはみんなから「サドゥ」と呼ばれています。

カトマンドゥの近くにパシュパティナートというネパール最大のヒンドゥー教寺院があります。
そこにサドゥがいっぱいいると聞き、私たちは、半分サドゥ見たさに見に行くことにしました。

パシュパティナートは、カトマンドゥのツーリストプレイス、タメル地区とは大きく違い、
寺院の前のお店は花などのお供え物や神様グッズが売ってるし、
そばに火葬場があるので、遺体を運んでいたりと、
宗教の匂いが漂う神聖な場所でした。

火葬場には、黄色い布で覆われた遺体が運ばれ、
燃やされた遺体の灰はガンジスの支流でもある聖なる川「パグマティ川」に流されます。
遺体が燃えているそばで無邪気に遊んでいる子どもたち。
燃えている遺体をじっと見ている遺族、巡礼に来たネパール人たち、そして私たち外国人旅行者。
遺体が燃えるのを見たとき、自分は何を感じるだろう。
私はここに来る前そんなことを考えていました。
川を挟んで見ていたからか、まるで映像を見ているかのような静かな感覚。
しかし、燃える臭いと人々の声、川の流れる音。
確かに目の前の出来事。
燃やされて灰になり川に流されていくその過程がゆるやかで静かでそして悲しい。
「 人は死んだら自然に帰るんだ。」
立ち上る煙と川の流れがそう叫んでいるかのようでした。

ところで、目的のサドゥはというと。
私たちは、サドゥを発見するや否や、写真を撮りに近寄りました。
すると、撮ってくれ〜!と言ってるかのように微笑み、快くモデルになってくれたかと思うと、
やはり写真をとり終わった後は、「Money!Money!」と手を出され....
いつの間にか、サドゥにお金を集られていました。
サドゥは何者?乞食?見た目はヒッピーだけど....

パシュパティナートから帰ってきてもその謎は深まるばかりで、
近くのパン屋のお兄ちゃんに聞いてみました。
「サドゥとは何者か?」
聞くと、サドゥは全てを捨てて修行している人のようです。
また、「サドゥのこと尊敬してる?」と聞くと、
「もちろん!」と答える。

パシュパティナートにいたサドゥは、修行しているという印象はあまりなく、
尊敬できるという感じでもなく、
ツーリストの写真代をもらうことを楽しんでいる...そんな印象でした。
ツーリストのイギリス人女性が持っていたビッグなピンクのサングラスを喜んでかけていたし....
その写真を見たネパール人も、「これはふざけてる!本物じゃない!」と。
どうも、本当のサドゥは山や寺に住み、ヨガをしながら修業している立派な人なのだそうです。

(リエ)



   
   
 


明日はトレッキング。
山の中はきっと寒いだろうし、防寒グッズでもを買おうかしらとポカラの街をぶらぶら。
ポカラにはインチキ「THE NORTH FACE」の品物がいっぱい。
ネパール人たちは「本物!本物!」と言って売ってます。
私が買ったフリースのポケットの裏地は、伸びるシマシマの生地で
どう見てもその辺にあった生地をテキトーに使ったでしょ?って
突っ込みたくなるような出来栄えです。

私がフリースを購入したので、リョウスケも何か買おうかな...と店に入り、
他の店も見てみようと外へ出たときのことでした。
前から、赤い服の男の人が帽子を投げてきたのです。
誰?私は目を凝らして見ました。
「あ〜!!ユータローだ〜!!!!」
そう、この「ユータロー」という人物、インドのシリグリで出会い、
一緒にカトマンドゥまで来た私たちの友人なのです。
カトマンドゥでユータローはトレッキングヘ行くと言って別れ、
私たちはナガルコットへ行くと言って別れたばかりだったので、
まさか、こんなすぐにポカラで再会するとは思ってもいませんでした。
旅をしているとこういう偶然はよくあるそうなのですが、
私たちはこういう再会がこのとき初めてだったのでこれは運命に違いない!
というくらい驚き喜びました。
私たちはユータローに初めて出会ったときから、この人の魅力にヤラレテいました。
だってユータローはギター一本担いで旅をしている、パワフルで熱い男なのですから!

運命の再会を果たした私たちは一緒に夕飯を食べることにして、
ユータローギターを担いで行ったトレッキングのこと、私たちはナガルコットのことなど、
時間を忘れるくらいいっぱい話しました。
気がついたら時計は夜10時を指していました。
ここポカラは10時頃になると全ての店が閉まり始めます。
私たちは店の外へ出て、店の外は道路を一本挟んで湖が見えるので、
湖を眺めながらベンチに座りました。
ユータローがギターを弾き、そこで小さな野外ナイトライブが始まりました。
初めの曲は夜の雰囲気に合った美しいサウンドの曲。
2曲目は坂本龍一の「戦場のメリークリスマス」。
ギターがハープになり、太鼓にもなる。
激しく、ときにゆったりと。
ユータローの魂がこもったそのギターの音色に感動し、
私は涙が止まらなくなりました。
FUJI ROCKで上原ひろみのライブを見たときと同じような、
音のパワーからくる涙。
音楽は人の心に衝撃を与え、狂わす。

周りを見ると観客は私たち2人だけだったのに、
いつのまにかネパール人たちも聴き入っていました。
みんなのアンコールに応えて、ユータローオリジナル曲。
これは激しい、元気が出る!
みんな笑顔でライブが終わり、ユータローと別れを告げる。
感動の再会からあっという間の時間だったけど、
私たちは最高のときを過ごせました。

ポカラの夜。ユータローのギターの音、そして湖。
すべてがマッチして、本当に素晴らしい日でした。

(リエ)

 



トレッキングの何がそんなにいいのか、初め僕らには分からなかった。
行ってきた人は口を揃えて「行かなきゃソン」と言う。
しかし、喧噪のカトマンドゥを離れ、まるで避暑地のようにのんびりとしたポカラを訪れた時、
たった標高800mのポカラのレイクサイドから、雄大なヒマラヤが見えた。
僕らの心はかなり揺らいでしまった。たしかに、もっと近くで見てみたい!
だが、それだけだった。5泊6日も必要ない。
それはポカラの宿で隣の部屋にいたトモコさんも同じ考えだった。彼女もまた、迷い中だった。
が、やっぱりあの山を近くで見てみたい!という気持ちも同じ。
「よし行くか!」と結局僕らはトモコさんと3人、ポカラ市内で防寒具と大量のチョコレートを買い、
ネパール人のガイド・ラムさんを雇って、
最小限の荷物で5泊6日のトレッキングに出かけることにした。
ちなみに5泊6日はトレッキング初心者コースらしい。

ついに始まったスタート以来、僕らは登り続けた。
人がすれ違うのがやっとの幅ではあるが、村と村を結ぶ生活道を歩く。
素朴な村の人々は僕らを見送ってくれるようだ。歩きながらもどんどん標高は上がって行く。
きれいに整地された段々畑を横目に、いくつかの村を通り抜け、
こんなところにも人は住んでいるのか、とビックリしながらも歩き続ける。
最上級の空気の中、スタートしてから機械の音は全く聞いていない。
「のどか」を通り越した世界を歩く。
たった数時間で予想以上に素晴らしい世界を目の当たりにして、
僕ら3人はトレッキングをかなり楽しんでいた。
しばしば、他のトレッカーや地元の村人たちや動物とも出会う。
地元の人や、ポーターなどは、
自分の体の何倍もの大きさの荷物を背負いながらひょいひょい登って行き、
カランカランと音が聞こえると、たくさんの水や食料をつけたロバの集団が通り過ぎてゆく。
ロバの首につけられた鐘の音は気が抜けたような音だが、顔はかなりシンドそうだ。
僕らも歩き続けてシンドいが、その分、水が最高にありがたかったり、
チョコレートのこの世のものとは思えない甘さを感じたりするのだ。

ついに着いた一日目の宿は、オアシスに見えた。
温かいミルクティ−を飲み、夕食をとったあと僕らは死んだように寝てしまったのだった。

ガイドのラムさん曰く「一番ラクチン」という2日目もけっこうハードだったが、
一日目よりも向こうに見える雪山が近づいているのがわかり、うれしくなった。
トレッキングはメンバーが共同体になる。
ガイドであり隊長のラムさんはニコニコとしながら余裕な顔で登りながらも、
いいペースをキープしてくれる。
「ホント・キレイネー!」
上の方でラムさんが呼ぶと、とんでもない景色が広がっている。
2日目の山小屋、僕らはまったくとんでもないところまで来たもんだ、と感激してしまっていた。
そして、今この山小屋から見える景色は、
山々に神々が住んでいると信じているネパールの人々の気持ちがよくわかる光景だった。
「You are ホント ラッキーネ!」ガイドのラムさんが言った。
トレッキングで見える景色は毎回違う。中でも僕らは最高の天気に恵まれたらしい。
しかし、景色が行くたびに毎回違うことが、トレッキングの面白さかもしれない。
7000m〜8000m級の山を向こうに見ながら、僕らは優雅にチーズスパゲティを食べた。
ヤクのチーズは口の中でとろけてウマい!昼の日は温かく、景色は最上級。
ここまで苦労して登ってきたからこそ味わえる贅沢だ。
こんな調子だと5泊6日はあっと言う間かもしれない。
明後日には天然温泉の露天風呂があるというタトパニまで行く予定。
明日もがんばるか〜!

(リョウスケ)





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